借金を繰り返して多重債務に陥ってしまう要因としては、ギャンブルや浪費のせいというイメージが強いかもしれません。しかし、必ずしもそれだけではなく、たとえば病気、ケガなどによって収入が減り、また支出も増えてしまうといったケースや、不況のためリストラにあってしまい、生活費を捻出するための借金がふくれあがって多重債務に陥るケースなどもあります。
不測の事態に備えて、すぐ使える現金やそれに替わるもの(いつでも引き出せる普通預金など)を用意しておくことは重要です。常に3か月分の生活費に相当する額を流動性として用意しておくことがすすめられていますが、あなたの生活や収入状況に応じて適当な額の現金を分けておくようにしましょう。
借金が返せない理由としては、何らかの原因で収入が減少したか、金銭感覚のルーズさや病気、衝動買いなどの理由で、支出が増えすぎたことが考えられます。
借金の総額が莫大に膨れ上がってしまったり、任意整理や個人再生法で減額しても支払いが難しい場合、地方裁判所に破産を申し立てることができます。これが自己破産ですが、破産が認められ、さらに「免責」の決定があると、クレジットやローンの支払いが法的に免除されます。しかし、土地などの資産は債権者に分配され、「免責」を得るにあたっては条件(ギャンブルや浪費でつくった借金等には認められないなど)があります。最近は、気軽に自己破産に走るケースが多いようですが、破産は、債務者に一からやり直すための機会を与え、更正を目指す制度ですから、最終的な手段と考えた方がいいでしょう。